外国債券は買うな!

日本はずーっと低金利にあるため、金利の高い外国債券に魅力を感じる人も多いようです。株式と違って、固定金利というのにも少し安心感があるのかもしれません。もちろん、為替が変動すれば、元本が値下がりすることは、みんな知ってのことと思います。

 

 それでも、外国債券に魅力を感じるのは、4%とか5%の金利があれば、それを3年とか5年とか持っていると、たとえ為替が変動しても、例えば5%の5年分:25%の利益が出せる。為替はそんなには変動しないだろうから元本割れまではいかないだろう、と読んでいるからでしょう。

 

 しかし、為替の変動を読むのは本当に難しいことです。高金利通貨は買われやすいので、為替も上昇傾向になる。そうすれば、為替差益も得られる、と考える人も多いかもしれません。しかし、それは短期的なことで、金利が高いのは、その国のインフレ率が高いことが理由であることも多く、その場合は短期的に為替が上昇した通貨も、何かのショックで大幅な通貨安に向かうのです。これは、同じ物のは同じ値段で買われるように調整されるからであると考えられています。

 

ユーロとグロソブ値動き.jpg 

 図1の赤い折れ線は通貨ユーロの為替変動の様子です。ユーロはリーマンショックの際、なんと短期間に40%以上も下落したことが判ります。

 

 

 一方、青い折れ線は、主にヨーロッパの国債で構成された、グローバルソブリンオープンという日本でもっとも多く買われた投資信託の値動きです。グローバルソブリンオープンの値動きは、外国債券の値動きと債券利息の合計からなっていると言っていいでしょう。

 

 しかし、この図で判るように、ほとんどユーロの為替変動と一緒に動いています。グローバルソブリンオープンは、純粋な外国債券ではなく、投資信託ですが、要は、外国債券は為替の影響を非常に強く受けていて、たとえ債券の金利が高くても、為替変動でその利益のほとんどがかき消されてしまうことが判るかと思います。

 

 外国債券は買うな、というのは、先ゆきが読めない為替変動に強く影響されるからです。為替がいつ変動するかは、専門家でもなかなか読めません。

 

 それは、株式だって一緒だろうと思われるかもしれませんが、株式は景気の影響や、その国の経済の成長などから、長い目で見れば大きな流れを読みやすいのです。ですから、もし外国の資産に投資することを考えるなら、経済成長が予測される国々の株式に投資する方が無難といえます。

 

 外国の株式は、株式と為替の二重の変動因子があるから、より危険ではないか、と思われるかもしれませんが、株式は長期で見れば上昇するのが普通なのです。株式市場に上場できる会社は、利益を生み出す優良企業であることが基本であり、成長するのがあたりまえなのです。

 

 経済成長が見込まれる国々といえば、現状では新興国です。短期的には、株価の変動が激しいかもしれませんが、多くの新興国に分散投資すれば、長期的にはほぼ間違いなく成長し、株価も上昇していくと見ることができると思います。このことが、為替の変動も打ち消してくれるのです。

 

 外国の資産に投資するなら、外国株式に投資しなさい。外国債券は買うな、という意味が分かって貰えたでしょうか。ちなみに、新興国に分散投資するには、東証に上場されている、“上場インデックスファンド海外新興国株式”などのETFを買うことで簡単に達成できます。